1. TOP
  2. なるほど!J-REITミニ講座

なるほど!J-REITミニ講座 J-REIT COURSE

2001年に登場以来、着実に市場規模を拡大している金融商品「J-REIT」。
皆さんに、その可能性を少しでも理解してもらいたいと思い、ポイントを取締役常務執行役員 緒方から解説させていただきます。

SECTION 01

そもそもJ-REIT(Real Estate Investment Trust)とは?

不動産投資信託、すなわち不動産を投資対象とする投資信託のことです。投資家から小口化した持ち分をもとに資金を集め、それをもとにREIT(投資法人)が日本国内の不動産に投資を行います。REITは不動産を保有し、それをテナント(入居者)に貸し出すことで賃料収入等を得ます。そして、その利益を投資家の出資持分に応じて分配する仕組みです。REITは公募、持ち分が上場しているためそれぞれの証券口座で自由に売買がすることが可能です。

SECTION 02

J-REITの運用会社の特徴はどんなもの?

株式や債券の投資信託は運用会社が任意の株式や債券を組み合わせて商品化していますが、運用会社は直接的に株式や債券の価値形成には携わってはいません。それに対し、J-REITは不動産の投資判断や運用管理を運用会社自らが行います。不動産事業は高度な専門性が必要であるため誰がやっても同じというわけではなく、運用方針やノウハウが将来の資産価値や賃貸収益を左右することになります。

運用会社は、賃貸住宅、ヘルスケア施設、物流施設をはじめ、オフィスビル、ホテル、商業施設など、運用方針に従い特徴の異なる不動産に投資します。単一の種別の不動産に特化する、複数の種別の不動産に分散投資する、などそれぞれの特徴が表れます。

SECTION 03

J-REITの将来性は?

J-REITは、小額から不動産投資が可能で比較的高水準の安定した分配が期待される金融商品と言われており、手軽にはじめられる不動産投資の枠組みとしてその認知が広がっています。
2021年には制度創設から20年が経ち、その間投資する不動産の種別は多様化し、時価総額、投資のポートフォリオ拡大の一因となりました。相対的に高い利回りが期待できるJ-REITはインカム商品としての再評価に繋がり、その注目度はますます高まっていると考えています。

J-REIT市場は2021年に約18兆円規模に拡大、私募REITも含めると国内のREIT市場は22兆円規模と言われています。しかしながら、日本のREIT市場は米国の1/8程度にとどまっており、安定したインカム確保手段のための不可欠な投資対象として、更なる市場規模拡大の余地が見込まれると考えています。

不動産活用の観点においても、電子商取引(Eコマース)の普及や3PL(サードパーティー・ロジスティクス)の拡大に伴う物流施設の需要拡大、高齢者向け住宅等ヘルスケア施設への資金調達手法拡大にREITの活用がなさていることからも分かるよう、J-REIT他の不動産の証券化・流動化を活用し日本の成長産業を資金面から支える動きもまだまだ続くでしょう。

J-REIT市場においてESG(環境、社会、ガバナンス)債の発行が投資法人債発行市場においては主流となりつつあります。投資口(株式)発行市場においてもESGに着目する動きが海外投資家を筆頭に注目が高まっています。J-REITはより環境に配慮した運用を行うことが求められ、それが持続可能性、競争力の高いポートフォリオと評価されることになるでしょう。
また、日本で行われている不動産開発の在り方(スクラップ&ビルド)ではなく、REITが不動産を長期的に保有し適切な運用・メンテナンスを行い、利用者をはじめとする人々が快適な生活を送る基盤となることが、ESGの観点からも大きな意義として着目されるだろうと考えています。

取締役常務執行役員
総務管理本部・財務経理本部管掌、総務管理本部長

緒方 隆志

1986年伊藤忠商事入社。2011年 同建設第三部長、2014年伊藤忠シンガポール会社副社長、2017年イトーピア・アセットマネジメント代表取締役社長を歴任。2019年ADインベストメント・マネジメント出向・常務取締役財経本部長。